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診断士への道(その9) [診断士]

冠婚葬祭、育児、龍馬伝を巡る旅、マラソン&自転車のトレーニング、SB創業セミナー
と充実した毎日を過ごしています。今週末も結婚式にクライマックスシリーズ観戦と楽し
いこと盛りだくさん。

いよいよ来週に迫った2次試験の対策に懸命に取り組まれている受験生の皆さんも試験
が終わったら色々とやりたいこともあろうかと思います。最後のラストスパート、健康管理
に留意して集中して取り組んで欲しいです。

さて、診断士への道の企画もなかなか進みませんが、昨年2次試験を受験する際に意識
したポイントを事例別に振り返ってみたいと思います。

〇事例Ⅰ
 事例企業全般に言えることは、どの企業もこれまで数年~数十年経営を続けてこられて
 います。社長の思いがあり、続けることができた何らかの強み(内部環境)があります。
 ただ外部環境は年月とともに変わってきており、それらに対応できずに売上が落ちたり
 利益が出なかったり、社員のやる気が下がったりと何らかの問題を抱えた企業が事例
 として取り上げられます。

 事例Ⅰの方向性としては、①社長の無形資源(専門性、知識、過去の経験)を全社で
 共有し、それが発揮できるような組織を作っていくこと②有形資源である人材の能力を
 高めモラールが向上するような人的資源管理を行うこと③①と②のシナジー効果を発
 揮すること④市場機会に強みをぶつけること⑤現状の組織では対応できない場合に
 組織構造を変革させること、です。

 SWOT分析に基づき、新たなビジネスモデル(収益構造の見直し等)を実現するための
 事業構造を構築し、この事業構造に最適な組織構造と組織文化は何なのか、また人事
 戦略によりモラールと能力の向上が図れないかに着目して取り組むようにしました。

 
〇事例Ⅱ
 事例Ⅱのパターンとして、例えば創業後30年・・・といった過去に成長を経験している
 企業が取り上げられます。長い期間継続できているわけですから何らかの強みを有し
 ているわけです。成長の過程で量のマーケティングを重視するあまり、質のマーケティ
 ングを忘れてしまっている社長に、その強みを再認識させ戦略(全体戦略、機能別戦
 略)を再構築させる必要があります。
 事例Ⅰで環境分析をする際は、有形と無形のシナジーを意識するのに対し、事例Ⅱで
 は無形資源(B社のこだわり)を意識しました。全体戦略では、事例Ⅰでは、高コスト構
 造になっていないか?収益構造をどう変えていくのかを意識するのに対し、事例Ⅱでは、
 どうやれば創意工夫して売上を上げていくことができるのかを意識しました。機能別戦
 略では、事例Ⅰでは組織戦略、人事戦略を意識するのに対し、事例Ⅱでは小売では
 ソフトとハードについて、サービス業ではサービストライアングルを意識するようにしまし
 た。この事例Ⅰと事例Ⅱの思考プロセスを休み時間の間に切り替えることが重要です。
 
 事例Ⅱの社長の相談事は少しわかりづらいですが、第一段落と最終段落に記載がある
 場合が多いので、この相談事(たとえば売上を上げる等)にしっかりと答える解答にして
 いく必要があります。設問で課題を設定してあげて、社長からのヒアリング情報から問
 題、課題、解決策を描いていくように心がけました。
 事例Ⅱでは情報の問題が取り上げられることもありますので、インターネットの活用等
 自分なりの解答パターンをあらかじめ用意しておくことも大切です。
 ブログでも何度か取り上げましたが、岩崎先生の“スモールビジネスマーケティング”
 は大変参考になると思います。
 
〇事例Ⅲ
 事例Ⅲは社長の相談事が与件の一番最後に書かれていませんが、2つか3つの小見
 出しが示されます。1つ目の小見出し【C社の概要】以外の小見出しが社長の相談事
 になっているのが毎年のパターンです。これらの相談事が設問でブレークダウンされる
 構造になっています。先ずは経営戦略をしっかりと確立させ、あるべき姿と現状とのGA
 P、問題点を解決していくことになります。設問構成も、①環境分析、②市場面、③製
 品面、④IT面とある程度パターン化されていることもあり、事前にしっかりとした準備が
 できるのが事例Ⅲだと思います。設問間の関連性や解答の一貫性を十分意識して国
 語的に読み込んでいくのが得策です。設問と与件のリンクが張りやすいので、与えられ
 た情報を基に論理的に書く力が重要となってきます。

〇事例Ⅳ
 いよいよ最後の科目です。集中力を持続できるよう栄養ドリンクや甘い物を補給して臨
 むことをおすすめします。計算問題が必ず出ますので時間配分をしっかり決めておくこと
 も重要です。
 事例Ⅳのポイントは、第1問:財務会計的に3つの問題点を抽出して、第2問:管理会計
 から財務会計の問題点を支えている、第3問:(難しい計算問題)財務戦略を打つパター
 ンが想定されます。第1問や第2問で取り上げた問題点を踏まえて後の問題がその対応
 策や解決策となっています。
 私は昨年の2次試験では計算問題で諦めたものも数問ありましたが、それ以外の記述
 のところはしっかりと書くことができました。実務補習でお会いした合格者の方の中には
 会計士や税理士といった事例Ⅳを得意とされている方がたくさんおられました。得意と不
 得意が大きく分かれる事例だと思います。しかし、不得意な方でも第1問で取り上げた問
 題点(昨年は長所・短所と聞かれ少し焦りましたが)を他の設問で改善していけるような
 一貫性を持った解答を作成するように心がけておけば、多少計算問題で得点を落とした
 としても何とかなると思います。過去問で見たこともないような問題は他の受験生の方
 も難しいと思っているはずなので、先に書いた時間配分をしっかり決めて計算を諦めて記
 述に注力するような作戦も必要だと思います。

以上、簡単ですが昨年勉強したノートを振り返りながらポイントを整理してみました。
試験の対策として色々と書きましたが、一番大切なことは社長の相談事に対して客観性を
持った分析ができ、納得感のある提案(解答)ができているかということです。

実務補習テキストの中小企業診断士業務遂行指針の第2章に“診断・支援のあり方”とい
うものがあります。そこに記された診断の基本的プロセスを参考までに書いておきます。

(1)診断・支援ニーズの事前確認
(2)定量的分析と定性的機能分析
(3)経営環境変化要因の分析・特定
(4)経営資源の分析
(5)経営課題などの抽出
(6)経営改善・経営革新の提言
(7)将来の変動要因を踏まえたビジネスプランの作成
(8)全体整合性のある提言
(9)実現可能な提言
(10)提言実現化の支援

基本的なプロセスですが、2次試験でも“全体整合性のある提言”というのは強く意識
されるといいと思います。

たくさんの合格者の方と来年2月の実務補習でお会いできるのを楽しみにしています。
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